NPO法人の理事・監事などの機関構成について。


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NPO法人の機関構成(理事・監事など)

1.NPO法人では、「理事3人以上」「監事1人以上」の設置が義務付けられています。

この要件さえ満たせば、例えば「顧問」や「評議員」等の内部的な役員を、法人の運営の実態に照らして設置することは自由です。

役員の他、全体的な意思決定の機関を設置する必要があります。

法人を運営するに際しては、決定しなければならない事項はたくさんあるからです。

一般的には最高意思決定機関として「総会」を設置することが多いようです。

その上で、団体の性質によっては「理事会」を設置し、機動的な意思決定を可能にする、という方法も考えられます。

2.NPO法人の要件が満たせない場合

このように、NPO法人はいくつもの要件をクリアしなければなりません。

特に、社員を10名以上揃えられるか、という点は、なかなか難しい面もあるのではないでしょうか。

また、設立までに時間がかかる、というデメリットもあります。

当事務所にも「NPO法人を設立したい」とご相談にいらっしゃるお客様がいらっしゃいますが、上記のような要件を検討した結果、「一般社団法人」を選択される方が少なくありません。

そこで、この「一般社団法人」について触れておきます。

(1)一般社団法人とは

一般社団法人とは、「一般社団及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立される法人です。

以前は、社団法人を設立する場合は非常に厳しい許可が必要でした。事実上、一般人が社団法人を作ることは不可能に近かったと言えます。

ところが、今は法改正等があり、手続をしっかり踏めば誰でも一般社団法人を設立できるようになっているのです。

(2)一般社団法人の特徴

  • ①社員2名がいれば設立できる
  • ②設立が迅速にできる
  • ③一定の条件を満たせば、税制優遇が受けられる
  • ④一定の条件を満たせば、公益社団法人にもなれる

少ない人数で迅速に設立できる点は、他の法人と大きく異なる点です。

(3)一般社団法人の税制

一般社団法人も、原則は会社と同様全所得課税です。

すなわち、どんな名目であっても、会社に収益が発生すれば法人税等が加算されます。

しかし、一定の要件を満たした一般社団法人は、収益事業で得た収益にのみ課税される形態(収益事業課税)になります。

これにより、寄付や会費徴収によって集めたお金に対しては法人税等がかからなくなるというメリットがあります。

ちなみに、NPO法人を検討されている方は、「NPO法人=すべて非課税」と考えがちではないでしょうか。

しかし、NPO法人は収益事業課税です。収益事業で収益が発生すれば、法人税等を収める義務が発生するのです。

つまり、一定の要件を満たした一般社団法人とNPO法人はともに「収益事業課税」であり、法人税等税制面ではほぼ同格なのです。

(4)一定の要件とは

一般社団法人が「収益事業課税」を選択できるのは、以下の2種類に該当した場合です。

  • ①非営利徹底型一般社団法人
  • ②共益活動型一般社団法人

(5)非営利徹底型一般社団法人

非営利徹底型一般社団法人とは、以下のすべての要件を満たす一般社団法人を言います。

  • ①剰余金の分配を行わないことを定款に定めていること
  • ②解散したときは、残余財産を国や一定の公益的な団体に贈与することを定款に定めていること
  • ③上記の定款の定めに違反する行為をしたことがないこと
  • ④各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の1以下であること

大雑把に言いますと、「家族経営はダメ、儲けてもいいけど、利益配当はダメ、解散時に余った財産は、公益の為に贈与・寄付しなければならない」ということです。

法人が利益を上げて、頑張った役員や従業員に対して高給を支給することは問題ありません。

(6)共益活動型一般社団法人

共益活動型一般社団法人とは、以下のすべての要件を満たす一般社団法人を言います。

  • ①会員に共通する利益を図る活動を行うことを目的としていること
  • ②定款等に会費の定めがあること
  • ③主たる事業として収益事業を行っていないこと
  • ④定款に特定の個人又は団体に剰余金の分配を行うことを定めていないこと
  • ⑤解散したときに、その残余財産を特定の個人又は団体に帰属させることを定款に定めていないこと
  • ⑥上記①~⑤及び下記⑦の要件に該当していた期間において、特定の個人又は団体に特別の利益を与えたことがないこと
  • ⑦各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の1以下であること

基本的には、同好会等、会員の為だけに活動する団体をイメージして頂ければ良いのではないでしょうか。

ただ、この共益活動型一般社団法人は、「主たる事業として収益活動を行っていないこと」が要件ですので、利益を生む為の活動は難しいかの知れません。

このように見ていきますと、利益追求の器として一般社団法人を設立する場合は、「非営利徹底型一般社団法人」が適している、と言えます。